持仏(じぶつ)の受注制作を始めます。

 
 
持仏(じぶつ)の受注制作を始めます。
 
持仏とはもともと、身近なところに置き私的に礼拝するための仏像の事を指します。
 
この13年、禅宗のお寺に留守居させていただいていることもあり、仏教の思想、美術から影響を受けてきました。しかしながら、古代の数ある仏像に強い憧れを抱くものの、仏像を制作する事はありませんでした。
今年の初め、知人から書斎に置く為の持仏を彫ってほしいとの依頼がありました。
返答を考えあぐねている折に、東北の民間仏を集めた展覧会に足を運びました。そこには正式な仏師ではない、地元の大工や木地師によって作られ大切に守られてきた素朴な仏が展示されていました。決まりごとの多い仏像の世界からすれば、型崩れとも受け取れる造形なのですが、技術的な誤魔化しがないが故に、祈りの切実さや、仏を彫る事の喜びが率直に形に表れていました。大切なことは何か、その仏たちに背中を押され、依頼を受けることにしました。写真はその時の弥勒菩薩像です。
 
納品して間もないのですが、また制作したい思いが募ってきました。これまでの作品の制作動機とは少し異なり、それを持つ人があらかじめいて、その人にあった仏を彫るのが(今のところ)いいように思います。
というわけで持仏の受注制作の受付を始めたいと思います。
礼拝の対象というと気が重いかもしれませんが、日常空間にマイ仏がほしい、心が整う存在がいてくれたら、喝を入れてくれる厳しい存在が必要、などなどご興味のある方はお気軽にDMにてご相談ください。
お待ちしております。
 
弥勒菩薩半跏像
朴木、彩色
h30×w14cm
写真/六田春彦